歯医者に行ってきた
実は私の元に2ヶ月前くらいから学校から緊急クエストの依頼が届いていた。
その内容は虫歯でも無いのに歯医者に行けという鬼畜極まりない依頼であった。
その依頼を2ヶ月間滞納していた私は、今日その重い腰を上げてしぶしぶ行ってきたのだ。
歯医者そこは私にとって未知の領域だった。
言わば地獄と一緒だろう。医療器具を持った鬼たちがいるのだからあながち間違っていない。
何しろ私はこの16年間一度たりとも学校での歯科検診に引っかかったことがないのである。
そこに入ると初めてきた人は何やら紙を書かされるらしい。当然私も書かされた。
名前やら、来た理由やらを書かされた。
そこにどこが悪いのかと、歯の絵のところを塗りつぶす欄があった。
虫歯でも無いのにこされられた私はその他の欄にもちろん「わからないと」と記入した。
その紙には名前を書く欄が普通にあったのだが、その真横に「平成 月 日」という欄があった。
私は平成生まれなので、当然のように生年月日をそこに記入した。
しかし診察が終わって帰って来た紙には斜線が引かれこう書いてあった。
「平成29年7月22日」と。
名前の横に紛らわしいもん書いてんじゃねーよ!
とまあ帰って来てから軽くキレた。
紙を書き終えた私は地獄の内部えと案内された。
私が処置される部屋に行く途中、通路の横に子供が横たわっているのが見えた。そこからはこの世の音とは思えないようなグロテスクな音が聞こえて来た。
地獄式の拷問を受けていたに違いない。
それを私もこれから受けるのかとビクビクしながら歩いていた。
部屋についた私は首に拘束用と思われるエプロンを装着された。
その後私もあの子供と同じく、地獄式の拷問を受けた。
地獄式の拷問は痛くないらしい。おそらく家に帰ってから激しい激痛が走る遅効性の拷問だったようだ。
拷問の最中やたらと私を処置していた鬼がこう言っていた。
「〇〇吸いますね〜笑」
おそらく私の体内の何らかの成分を抽出していたのだろうベロの横を激しく吸引された。
しかも処置中、私はタオルを目に被せられ目隠しをされていた。私に見られたくないような処置をしていたに違いない。
1時間横になり、時々水らしき液体でうがいを強制されていたら処置は終わった。
そこで私は気づいた。
下の前歯の裏に喪失感があったのだ。
してやられた。私に目隠しをしている間に歯を改造されたらしい。
これ以上体をいじられせないためにも私は足早に地獄を出た。
その地獄の前にはこう書かれていた。
『K.J歯科こどもクリニック』
帰りに渡された、私が入った時に渡した緊急クエストの依頼書には、こうも書かれていた。
『歯石 処置完了』
皆さんも歯医者には気をつけてほしい。